RCA CMR-300 ビデオカメラの修理
海外で生活していた頃、父が買ったVHSのビデオカメラ RCA CMR-300。 これは1986年頃の製品で、恐らく日立マスタックスムービーのOEM。 仕様的には、日本国内向けのVM-500を簡易化した感じです。 たまたま約10年ぶりに電源を入れたら無反応だったので、勉強ついでに修理を試みてみました。
ビデオカメラの電源スイッチを押しても電源が入らなかったので、まずはメイン基盤をチェック。
よくある電解コンデンサーの不良かなと、1個ずつESRメーターで値をチェックしました。そして、ESR値が極端に高いものを順次交換してみました。 10個ほど替えたところで、電源は入るようになりました。 しかしながら、VHSテープの映像は映るものの、カメラの映像は映らない。 という事は、イメージセンサー周りの不具合なのか? とりあえずレンズ周りを色々弄繰り回してみます。 すると、光量を調整するアイリスへ接続されたアームを精密ドライバーで突っつくと映像が出ました。 どうもこのアイリス周りが正常に動いてない感じです。
絞りに接続されたアームを精密ドライバーで左右に動かすと画像の明るさが変わる。 ようは、この絞りを動かすアームの制御モーターがダメなのかも?と気づきました。 更にCMR-300のグリップ部分もバラしてみました。
すると、アイリスドライブと書かれた基盤エリアを発見。
とりあえず IRIS制御周辺の電解コンデンサーを交換してみました。 しかしながら、何個替えても状況が変わらず。 しまいには、基盤全てのコンデンサーを替えても変化がない。 どうもほかにも原因があるみたい。
通電しながら、IRISのつまみを弄りながら動きを観察。すると、微妙に動こうとしているのを確認。 ひょっとして絞り羽根が突っかかるのか? センサーとレンズ部の間にある、アイリスユニットを外してみることにした。
そして、さらに絞りそのものをばらすと、羽根に油のような付着物を発見。
どうもこれっぽい。そばにあるギアの油が気化して羽根に付着してしまったのだろうか。結構べっとり付いてて動きが悪い。面倒だが1枚1枚ばらしてアルコールで拭き拭き。そして、組み立てなおしてみると・・・
おー。ちゃんと明るさが調整されるようになった。油のせいで、絞りがスムーズに動かなかったのが原因だったようだ。アイリスが悪いという診断は間違ってなかったが、だいぶ遠回りしてしまった。 まだまだ修行が足らないらしいw
とりあえず CMR-300を使う予定はないが、動くようになってちょっと嬉しい。 今回はいい勉強になった。
おしまい。